2018年6月の半ば。
愛用しているコーヒーマシンで珈琲ラテを楽しもうとした週末。
最近は暑いので昨年同様水出しコーヒーを楽しんでいましたが、週末という魅力に感化され、まったりラテ気分を味わおうとしたのです。
しかし・・・あれ?
本来出てくるハズのノズルから液体が出てこない。
機内簡易掃除を思いつつ、お湯だけだしていたのですが・・・出てこない。
これはコーヒーマシン、壊れたな・・・ということで、コーヒーマシンの取り扱いをしている百貨店へ子ども同伴の上いきました。
この百貨店で自分は僅かながらですが積立をしています。
単純にこの時期はお中元時期特別販売用のチケットを配布しているから、もしかしたら割引で買えるかもしれないという甘い考えと共にチケット配布しているフロアへ。
そのフロアの一角に、コーヒー用品(コーヒーミルとか、水出し系のグッズなど)を扱っているので立ち寄ると、ワークショップが行われていました。
ワークショップ・・・それはロシア民芸品のマトリョーシカ人形の絵付けワークショップでした。
前置きが長くなりましたが、ここからタイトルの本題になります。
やりたいと言う子ども、作るのは親というジレンマが渦巻く
Contents
子どもというものは好奇心の塊ともいえます。
自分も子どもの頃、百貨店においての体験作業をよく参加させてもらいました。
よく参加させもらったのは砂絵。
サンリオキャラクターのききららの砂絵をしている最中に、親が買い物をしているという流れだったような気がします。
もしくは、買い物するからいい子にしていたらやらせてあげる的な取引条件だったのかな・・・。
今回、マトリョーシカ人形の絵付け、やりたいという子どもの気持ちはとてもよく分かったのですが・・・
①目の前で繰り広げられている午前の部ワークショップは猫だが、午後の部ワークショップはよく見る伝統的な女の子。
②午後の部ワークショップは15時から。この日は日曜日だから早く帰宅することが希望だった。
③親として、模写するのが苦手。そしてやりたいという子どもは鉛筆を握るのは一ヶ月に1回あればいいほう。
(※保育園では落書きとかしているので、言葉は悪いが本人の自主性に任せている。)
猫ならば失敗してもどうにかリカバリできそうですが、女の子って明らかに無理なような。
そんな不安を満載させながら、自分もワークショップに参加しているかのごとく、入れ子になっているマトリョーシカを分解しだして、ひたすら遊びだす子ども。
上下を割って全部並べては、上下をくっつけておく。
VOLGA(ヴォルガ)SEMYON CAT Matryoshka(セミョンキャット マトリョーシカ) (Black)
(実際午前のワークショップで作られていたのはこちらを見本としていました。はらぺこあおむしの作者、エリックの月曜日は何食べるに出てくる表紙の猫を思い出させるテイストの黒猫です。)
ワークショップ講師の先生は、黙って遊びだした子どもを見ながら、好奇心いっぱいの瞳で見ていました。
多分、初めて触るマトリョーシカにどんな反応を示すか楽しみだったのでしょう。
・・・実際は、子ども、初めて触るわけではありませんでした。
マトリョーシカは知育玩具。これはロシアでも同じだよ。
マトリョーシカ・・・
子どもは全く知らなかったわけではありません。
親として私がかわいくてマトリョーシカを集めていた・・・そういう話でもありません。
確かに購入したのは遠回しにいうと私ですが・・・こどもちゃれんじにマトリョーシカ(いろっちシリーズ)、玩具として送られてきました。
だるまをモチーフにした原色のマトリョーシカ(いろっちシリーズ)を入れ子にしたり、マトリョーシカ(いろっちシリーズ)の底辺の凹み孔に、ブロックパーツを組み合わせておままごともできるという代物。
本人の中でも、マトリョーシカ(いろっちシリーズ)で、昔の感覚を思い出していたのかもしれません。
猫のマトリョーシカで遊ぶと、次は女の子のマトリョーシカ。
セミョーノフ産 マトリョーシカ 7個組 伝統柄 黄 [ロシア雑貨]
猫のマトリョーシカは上下の柄を合わせる必要はないのですが、女の子の方は柄を合わせなくてはなりません。
ワークショップ講師の先生は、『次は柄を合わせるから難しいけれど、みててごらん。手を出さなくてもしっかり柄を合わせるようになるんだよ』と、楽しんで見守ってくれていたようです。
高い集中力にロシア人講師を含めワークショップを受けている方々、そして講師の通訳者もこの子、いつまでマトリョーシカで遊ぶんだろう雰囲気が流れ出しました。
(30分近く、ワークショップ開催されている場所で遊んでいました。本当にすみません。)
同じフロアでしたが、違う場所で販売してあったマトリョーシカを販売していたのでそちらの子どもを連れていきました。
初めて見たのですが、マトリョーシカは単なる入れ子のものだけではないのですね。
幼い子に数を覚えさせるための数遊びネコというマトリョーシカ、ロシアの昔話おだんごぱん絵本にちなんだマトリョーシカ。
(まるででんぷんのりで有名なふえきのりの犬みたいな形です。)
おだんごぱん ロシアの昔話 (日本傑作絵本シリーズ) [ 瀬田貞二 ]
全てが手塗であるが故、ひとつひとつ愛嬌がある商品、そして木のぬくもり。
日本だと数を覚えさせる知育玩具で見かけるのが、そろばんのような鋼材に木の丸いビーズが通されているものかと思うのですが、こっちの方がインテリアとしても長く使えるし、散らかして配置しておいても絵になるなと触りながら思いました。
VOLGA(ヴォルガ)SEMYON CAT Matryoshka(セミョンキャットマトリョーシカ ロシア製 手作り 木製玩具 オブジェ ネコ 猫雑貨)
VOLGA(ヴォルガ)SEMYON CAT Tabletop case(セミョンキャット テーブルトップ ケース) (Black)
この数遊びマトリョーシカは中に入れるもの小さなマトリョーシカが4個のものから10個のものまで販売展示してありました。
(そして、販売員さんのご厚意の元(もちろん傍で商品のご説明もしていただきました。)、全て遊ばせていただくということに。本当にありがとうございます。)
数遊びトリ(ヒヨコ10人セット)親鳥から生まれる小さなカワイイ子ひよこ10匹【マトリョーシカ】
マトリョーシカ 数遊び 1個+3匹 「犬少女」 ヴィクトル・二キーチン 作 [ロシア雑貨]
残念ながら、子どもは既に119まで数が数えられるので・・・ご購入させていただくのは見合わせましたが、すべて入れるのに工夫をしなくてはならない商品もあり、単純にいれるだけではないということも学べそうでした。
(写真撮影の許可は販売員さんに頂きましたが、ブログ掲載の許可はいただいていません。参考に取扱いショップの画像とさせていただきます。)
体験して気が付く、自分にはできないという力の差
結果的に、どうしてもやってみたいという子どもの意向に基づき、マトリョーシカ人形塗りワークショップに参加することに。
元々の下絵は墨で入っています。
が・・・花の絵や瞳などは自分で書かなくてはならないのです。
鉛筆で下書きをしてから筆や万年筆を使って書いていきます。
まぁ・・・大人でも難しいレベルです。
たまたまですが、この午後のワークショップの参加者、子連れ参加者ばかり。
でも、明らかに保育園っぽいのはうちの子どものみ。
各家族に1人の販売員さんがついてくれるという布石陣。
午前中のワークショップ参加者は大人ばっかりだったので、マトリョーシカ講師と通訳の方で行われていました。
あとから、このワークショップを企画されたかたでしょうか?訪れた時に、他の売り場で販売しているマトリョーシカを案内して頂きました。
うちの子どものスペックを公開してみるとこんな感じです。
・とりあえず鉛筆は握れるが、迷路等は線をなぞれる程度。筆圧がなく、すごく薄い。
・箸は練習中。まだ持てない。
・メインは左利き。右手も使う。親は右利き。
粘度系ならば子どもでも大人並みの才能を示す時がありますが、まず、子ども、鉛筆握れるのレベルです。
お箸使って食べれないのに、できるの?
・・・出来るはずがないです。
でも、果敢に挑戦。
こけしみたいな細い瞳はまず出来ず。
『どうしても大きくなっちゃうんだよなぁ・・・アンパンマンしか書いたことないんだもんなぁ』
販売員さん、苦笑。
他の参加者は静かに作業しているのですが、それができない。
髪の墨が塗れず、はみでてしまったこと、目がうまく書けないことで、子どもは挫折。
そのあとはワークショップ場所で持参したおもちゃで遊んでいました。
こちらとしてはワークショップに参加しているので作り上げなくてはならず、販売員さんが子どもの面倒を見てくれることに。
早く終わらせなくてはならないので、焦って行い、さらには子どもに声をかけ、一緒に塗れそうな広い部分は参加させることに。
でも、マトリョーシカ人形の頭巾の縁部分も花柄にするのが目的なのですが、べとっと塗って・・・
オリジナルからどんどん離れて行きました。
そんな姿をみて、講師はアドバイスをくれて・・・最終的にはなんとか見本とかけ離れたマトリョーシカ人形が完成しました。
子どもの体験にはサポートが必要。
見本通りに作りたい。
子どものやる気には経験値や得意、不得意という垣根はありません。
好奇心と、やってみたいという情熱です。
これはとても大事なことだと思うのです。
そして摘み取ってはいけないものだと個人的には思うのです。
失敗や挫折を繰り返し人間は成長していくものだと、自分は考えますし、成りたい自分になるための努力もそこから生まれると考えています。
親側としても勝手な理屈の下、子どもがやりたいとねだったワークショップに参加してしまった訳です。
結果は見えてはいたわけです。
そんな一家をサポートしてくれたのが百貨店の販売員の方々。
本当に頭が下がります。
手をわざと汚した子どもを洗面所に連れて行ってくれたり・・・。
お腹が減ったと言い出した子どもに、何か飲食できる場所はないかと聞いたらすぐに答えてくれ、ワークショップを抜け出しておやつ食べさせたり・・・
多分、伝説に残るぐらいの迷惑度だったかと思います。
でも、子どものやりたいという願いだった目的から、親が作り上げるという久々の子離れタイムを提供してくださり、感謝しています。
親としても安心できる百貨店、女性が長く働ける会社ランキング1位はやはり伊達ではない。
とてつもなく迷惑をかけ、今回、出入り禁止になるのではないかと思うレベルの迷惑をかけた百貨店・・・
実は、東洋経済の女性が長く働ける会社ランキングで堂々1位の高島屋です。
先日拝見したニュースの記事では平均勤続年数20年以上、女性比率57.2%、平均年齢は45.8歳、管理職比率28.5%となっている。
確かに、フロア全体見渡しても女性社員の割合が多いです。
ネット通販が主流となりつつある販売網ではありますが、自分は気分を変えたいときや長く使いたいものを買うときはつい、高島屋に伺ってしまいます。
いつも助けてもらってる大きな理由のひとつとして、女性目線がとてもよく活きているからです。
子どものおもちゃコーナーには遊んでいる子どもの様子を立ってみているのではなく、座って見れるよう遊び心をくすぐるクッションベンチがあったり、オムツ替えコーナーの近くに赤ちゃんにおやつを食べさせられるコーナーを設置。
探し物をしているとき、どうして取扱いがなくなってしまったのかと、ツッコんだ質問も正直に答えてくれる上、どちらがいいか悩んでいると伝え、どんな人がこの柄を選ぶのかと聞くと丁寧に答えてくれます。
また、自分の持ち物を見せて、長く使えていますよと教えてくれることもあり、気さくな方が多いように見受けられます。
今回も子どもを押し付けるように売り場の販売員さんに見てもらって、マトリョーシカ人形の絵付けワークショップに最後まで参加させていただきました。
前半は50代前後の販売員さん、後半は30代前後の方(制服ではなかったので、ワークショップの責任者の方だったのかもしれません。)が子どもにつきっきりで対応してくれていました。
保育園の先生のように・・・でも、どちらかというと子どもを自由に動かしていただき、子どもも一人のお客様という対応でした。
子どもがいない時も取扱い商品が自分好みのものが多かったことから高島屋の積み立てを始めたのですが、今は子ども用品や日常雑貨で商品のバイヤーセンスが素晴らしいと感じる面が多々あるから使いたいというのが大きな理由となっています。
これからも迷惑をかけることが多々あるかと思いますが、末永く利用させていただけたらと思います。
マトリョーシカワークショップ、別の会場ですが7月もあるそうです。
実は知らなかったのですが・・・
他の百貨店でもこのマトリョーシカ人形塗りワークショップが開催されるようです。
たまたまSNSで流れてきた情報で見たことある色塗り前のマトリョーシカだなぁ・・・と思ってよくよくみたら、同じ講師の方でした。
講師のデニス・コロトコフさんの経歴を一部引用させて頂きます。
創業80年以上の歴史を持つ、老舗マトリョーシカ工場Semyonovskaya Rospis社(通称セミョーノフ工場)の長男。
幼い時から工場の職人や作業員の見習いとして従事。
なるほど・・・
道理で子どもがマトリョーシカで遊んでいる時の視線が楽しそうだったのは、幼い頃の自己経験も含まれていたのかととても納得しました。
講師の先生も製品の絵付けをされているので、ワークショップ時にもうひとつ、デザインとして何かが足らないと感じた時に質問をすると、こうしたらどうかなと、下絵を書いてくれたり、デザインの提案をしてくれます。
教え方も丁寧で、日本語は出てきませんがわかりやすかったです。
ワークショップで学んだセミョーノフ工場のマトリョーシカの特徴。
セミョーノフのマトリョーシカの特徴は大きくは3つあります。
・マトリョーシカ人形の特徴である染料。
・マトリョーシカのぐるぐる模様。
・マトリョーシカ人形の艶。
ひとつひとつ確認していきますね。
マトリョーシカ人形の染料洋服を染める染料
このセミョーノフ工場ではマトリョーシカの頭巾や服には洋服にも使う染料で塗ります。
(タンニン・・・だったかな?テアニン・・・だったかな?)
花や葉の部分はポスターカラーのような色でしたが、この頭巾や服の色は洋服に付くと染まってしまう染料なのでエプロンをしてくださいと言われました。
ちなみに、赤の方は色ムラができやすいので、なるべく重ね塗りをせずに一気に塗って欲しいと教えてくれました。
(工場の経験者でもたまに失敗するほど緊張感を要するものだそうです。)
筆を動かすのではなく、塗るマトリョーシカを動かすのがポイント。
マトリョーシカ人形のぐるぐる模様
それともうひとつの特徴はこのぐるぐる。
数遊びネコ (子猫10人セット)
(左上の頭部分にある黒いものがセミョーノフのマトリョーシカの特徴であるぐるぐる模様)
これ、染料で絵付けしても表面に出てきてしまう木目の節を消す為、つけられるようになった模様なのだそうです。
左右対称にぐるぐる(インクは墨で、形状は布を巻いて作られたスタンプ)を押すことで、マトリョーシカに模様をつけるのだそう。
このぐるぐる・・・セミョーノフ工場でしか行われていないとのこと。
同じような絵付けのマトリョーシカが並んでいても、このぐるぐるがあったら、故郷はセミョーノフ工場ということなのです。
マトリョーシカ人形の艶
マトリョーシカの絵付けが終わると最後はニスの工程。
実は、今回工場と同じニスは使えませんでした。
税関でひっかかってしまう素材だそうで、今回は日本製で代用されていました。
セミョーノフ工場ではニスが入っているバケツにマトリョーシカを入れて、手でニスをなじませるのだそうです。
手が荒れないのかと思ってしまったのですが、刷毛で行うと筆の跡や毛が貼りついてしまうのでNG。
均一にニスをなじませるにはやはり職人の手で行う方が一番きれいにしあがるのだそう。
さらに、ひとつのマトリョーシカに対して、5回ニス付けと行います。
だから、表面がツルツルの光沢なのかと感心しました。
ワークショップでは1回しかニスを塗布していませんが、製品と同じようにツヤツヤにしたい場合はスプレー式のニスを3回以上塗布するとよいとのことでした。
セミョーノフ工場のマトリョーシカに名前があった。
どれも女の子・・・だと思ってみていたのですが、頭巾の色?花の模様?によってお名前があるそうです。
水色の頭巾の子はアリョンカ。
黄色い頭巾の子はロシャーノチカ。
赤い頭巾の子はアニョータ。
おきあがりこぶしのような丸い体が特長なのがカチューシャ。
こちらは頭巾が赤でも黄色でも体型に名前がついているようです。
(実際、おきあがりこぼしのマトリョーシカも販売していました。でも、これは入れ子にはなっていません。)
細長く、頭に帽子のつばがついているような特徴のマトリョーシカもアリョンカというようです。
区別がつきにくい・・・。
ちなみに、全てのマトリョーシカはお腹にお花の絵があります。
これ、実際は右手で花束を持っているのだそうです。
服の模様かな?と思っていましたが、花束とは。
あなたはご存知でしたか?
マトリョーシカの取扱い方を聞いておきました。
マトリョーシカは木で作られています。
湿気の多い時期は木が水分を吸ってしまい膨張。
なかなか開けて遊ぶのが困難です。
そういうときはシリカゲルなどの乾燥材を一緒に入れておきましょう。
開きやすくなります。
マトリョーシカの開け方は焼き芋を二つに割るような感じで開きます。
そう、真ん中でぽきっとね。
間違っても左右に引っ張る形では開けない方がよいとのこと。
よく遊び過ぎると、やはりつなぎ目のところの塗料が剥がれてしまうそうです。
まとめ。感謝しかない。いい商品といいワークショップでした。
もう、本当に感謝しかない。
マトリョーシカコレクターがいるという話を聞いたことがありますが、確かにコレクターの気持ちをくすぐりますね。
ひとつひとつ手で作られたものということもひとつの理由ですが、単純に入れ子のマトリョーシカだけでなく、数遊びでも使える知育玩具。
将来インテリアとして楽しんでよいという考えがあるのならば、赤ちゃんが誕生した際の自分へのプレゼントとして購入してもアリなのかなと感じてしまいました。
数時間ではありましたが、ワークショップに集中させて楽しませてくれたコロトコフ講師と、主催してくれた高島屋の方々へ。
本当にありがとうございました。
子育ての合間のわずかな時間ではありましたが、とてもリフレッシュできました。